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再)ライフ・ストーリー第1話「実は、いじめっ子だったんです」

【自分の人生って、どんなだろ?】 
 

昨年の夏、ふと、そんな事を思って
インタビューライターの小川さんに
これまでの人生を取材していただきました。

 

あれからもう半年。
 

 

取材の中で語っていた「未来の話」は

少しずつだけど、「現実」になりつつあります。

 

 

叶える過程の中で、「はじめまして」の方と

お会いする機会が増えたり、新しいエピソードがうまれたり。

 

 

なので、改めて、自己紹介をかねて

私のライフ・ストーリーをご紹介しつつ

これからの物語を更新していきたいと思います。

 

 

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【鶴薗奈美のライフ・ストーリー】

 

彼女の人生は一貫している。

いろんな状況に揉まれても、

「私はこれをやりたい」を、

揺らがず、曲げもせず、ただ、貫く。

 

それは、人によっては「自信」に見えるだろうし、

「強気」に見える人もあるだろう。

 

けれど本人にとっては、

ただただ「当たり前」のことなのだ。

 

だから「一貫してますね」と言っても、

本人はケロリと「そうですか?」って言う。

 

面白すぎる。

 

人と人の間にいて、

両者をつなげ、結ぶことをこよなく愛する、

鶴薗奈美さんのライフ・ストーリーを聞いた。

(取材・文/小川志津子)

 

 

 

◆第1話:実は、いじめっ子だったんです

 

 

保育園か小学校かは定かではないけれど、

鮮烈に覚えている一冊がある。

 

 

「タイトルはうろ覚えだけど

『こどもたちがちきゅうのためにできること』

 について書かれた絵本を読んだんです。

 お祭りとかイベントで

 空に風船を飛ばすじゃないですか。

 それが、お空に上がっていって、

 気圧で割れて、海に落ちて、

 カメさんがクラゲさんと間違えて、

 それを食べて死んじゃうんだよ、って」

 

 

自分がしたことが、

はるか遠くにいる誰かに影響を及ぼす。

自分は、世界とつながっているのだと、

少女はその本から察した。

 

 

「こうやって人や自然や地球と

 つながりながら生きているのだから、

 自分の次にいる誰かのことも考えて選んでいこう、

 子どもながらに思ったんですよね」

 

 

みんなが、世界の一員だ。

みんなが、世界の中心だ。

自分の世界をどうするかは、自分次第だ。

 

 

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「だからこそ、自分から、

 よい循環をスタートさせることもできるし

 循環を終わらてしまうこともあるんだなあ……

 ……なんて器用な言葉にはできなかったと思うけど、

 それくらい深い原体験が、胸に刻まれたんですよね」

 

 

みんなで遊ぶ時は、

どちらかと言えば仕切りたがりだった。

 

 

「人に『あれして』『これして』って、

 言われることが嫌だから、

 自分が先にそれを言っちゃうんですよ。

 おままごとの役柄を、

 みんなに振っちゃうんです」

 

 

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いた。そういう子。

 

 

「小学生になると、学級委員長を任されたりとか、

 何らかのリーダー的ポジションにつくことが多かった。

 ……私ね、黒歴史があるんですけど、小4の時、

 いじめっ子だったんですよ」

 

 

彼女は実に率直なトーンで、

その頃のことを話し始める。

 

 

「今思うと、みんなが自分についてくる、

 っていう構図を保ちたかったんだと思うです。

 みんなが自分から離れていくのが怖くて、

『私の言うことは聞いておいた方がいい』っていう、

 帝国を必死で作り上げていたんだと思います」

 

 

そうだったのか。

あの頃のいじめっ子たちは、

「ひとり」が怖かったんだな。

 

 

「『あたし、あの子嫌いだから、明日から無視する!』

 って言うと、みんなも無視し始める。

 明日からは別の子を無視したいって思うと、

 今日まで無視してた子のところに行って、

『明日からあの子を無視するからよろしく』って、

 急に無視を解除するんです」

 

 

自責でもなく、自虐でもない、

「そんな頃もあったなあ」と、

「ただ、事実」を彼女は語る。

 

 

「さっきの絵本にもあったように、

 世界中の誰もが『世界の中心』なのだし、

 だからこそ世界は面白いと思うんだけど、

 当時はそれがうまく機能しなかったんですね。

『私が世界の中心なのだからみんなついてきて当然』

 って、あの頃は思っていた

 

 

今、旧友たちは、当時を思い返すと、

「奈美、昔は怖かったよねー」

「あの頃は学校行くの嫌だったあ!」と、

笑い話にしてくれるのだという。

 

 

「めっっっちゃ黒歴史だけど(笑)、

 それも私の人生の一部なんですよね。

 私自身、『こうじゃないな』と、

 気づくきっかけにもなったし」

 

 

家に帰ると、電気屋さんを営む父がいて、

子の幸せを願う母がいた。

 

 

「父はお客さんとの向き合い方が素晴らしくて。

 誰かの悪口を言う姿を、一度も見たことがないです。

 人のために何かをするのが大好きで、

 私が困っていたりすると、

 そっと助けてくれるんですよ。

 私が元気になる方向に、

 小石を置いていってくれる感じ」


 

娘が抱える問題を解決しようとするのではなく、

さらりとドライブに誘ってくれた。

 

 

「母は、私にとって、

 いい面と、そうでない面が両極にあるんですけど」

 

 

多くの女性にとって、

母親という生き物はそういうものである。

 

 

「前者から言うと、私たちのために、

 すごくこだわって料理を作ってくれたし、

 それを盛る器も、一つ一つが選びぬかれていた。

 お食事だけでなく、家具もお洋服も習い事など何でも

 子どもたちのために、いつも良いものを揃えてくれる人」

 

 

では、その反対は?

 

 

「完璧主義なんですよ。

『こうでなきゃいけない』って思い込んで、

 自分の思い通りにならないことをとても嫌うんです」

 

 

無理もない。

母は、初めて、母になるのだ。

 

 

「だから何でも自分の思い通りにしようとする母親に、

 反抗するのに必死でしたね。

 毎日、喧嘩してた。

 思春期や反抗期に限らず、ずーーーっと!」

 

 

本当は、優しくしてもらいたいのだ。

穏やかに仲良く、していきたいのだ。

でも「自分」をキープするには、

戦わざるをえなかった。

 

 

「雨が降るっていう天気予報があった日のこと。

 私はあまり予報を気にしないんですよ。

 降ったら、お友達の傘に入れてもらってもいいし

 濡れてもたいしたことじゃない。

 だから傘を置いて家を出たら、

 母が車で私を追いかけてきて、

 すごい剣幕で、怒られたことがある。

 通学路だから、友だちがいる前で。

『まじ、怖いんだけどー!』って、

 友だちに泣きついてましたね(笑)」

 

 

ライフストーリー第2話へつづく

(取材・文/小川志津子さん